もつ鍋には牛?豚?接客で答えられなかったボクが、ひとつ成長できた日

もつ鍋に使う牛もつと豚もつの違い・スープとの相性を解説したアイキャッチ画像 分かったこと
「モツ鍋をするには、どのモツがいいの?」
その一言に、ボクは答えられませんでした。
精肉店3か月目——骨折明け、最初の週の出来事です。

転職して精肉店で働き始めて、3か月目。骨折明けの最初の週の勤務でした。毎日少しずつ覚えているつもりでも、知らないことにぶつかるたびに、胸の奥がきゅっとします。

この前、お客さんにこう聞かれました。

「モツ鍋をするには、どのモツがいいの?」

その瞬間、ボクの頭に浮かんだのは、その日の午前中に冷凍庫の整理をしていたときに見た豚の白モツでした。「これだ」と思って、すぐに出したんです。

でも、出した瞬間に思いました。

ヤベッ、モツ鍋なら牛モツもある。

ボクは豚のモツ煮が好きで、そのイメージのまま動いてしまいました。けれどお客さんは、

「臭みがない方がいいです」

とのこと。そこで牛モツを出しました。「これで大丈夫かな」と少しホッとしたのも束の間、

「脂は多くない方がいいんです」

と、さらに一言。

……これは困りました。

牛モツと豚モツの違いは、なんとなく分かっているつもりでした。でも、その場で分かりやすく説明する力が、まだボクには足りませんでした。結局、食感の話くらいしか伝えられませんでした。

「どんなモツ鍋にしたいですか?」と聞いても、「私もよく分からないんですけど……」とのこと。周りに社長も先輩もいない。完全にひとりで判断する場面でした。

すると最後に、お客さんが「じゃあ、両方買います」と言ってくれたんです。その一言に、本当に助けられました。あの日は、ボクが商品を売ったというより、お客さんに知識を買ってもらった日だったのかもしれません。

この記事では、あの接客をきっかけに調べ直した牛モツと豚モツの違いと、今ならどう案内するかをまとめます。モツ鍋を作りたい方にも、転職して「分からない」と感じている方にも、少しでも役立てばうれしいです。

あの日の反省——ボクが学んだ2つのこと

あの接客を振り返って、反省したことは大きく2つあります。

  1. 牛モツと豚モツの違いを、もっと明確にしておくこと
    「なんとなく知っている」と、接客では通用しませんでした。自分の中で分かっていても、伝えられなければ意味がないんですよね。
  2. 鍋の味によって案内を変えられるようにすること
    「モツ鍋に合うモツはどれですか?」という質問には、実は「どんな味のモツ鍋にしたいか」を先に聞くことが大事でした。

45歳で未経験転職したボクにとって、これは恥ずかしい失敗でした。でも、分からなかったことを調べ直せた——それだけでも、前の自分より一歩進めた気がします。

モツ鍋には牛モツ?豚モツ?まず結論

ボクなりに調べ直して分かったのは、これです。

わかったこと

一般的な“モツ鍋”は牛モツを使うことが多い。定番は牛小腸(マルチョウ)や牛大腸(シマチョウ)

定番のモツ鍋を作りたいなら牛モツ。しっかりした味で楽しみたいなら豚モツもあり。

理由は、脂の甘みがスープに溶け込んで、醤油や塩のスープとよく合うから。豚モツも十分おいしいですが、牛より風味を感じやすいので、味噌や辛味噌など、コクのある味のほうが合わせやすい印象があります。

牛モツと豚モツの違いを接客でどう伝えるか

調べ直して、まずはこの表で整理しました。

項目 牛モツ 豚モツ
臭み 少ない ややある
多い 控えめ
食感 プリプリ コリコリ〜やわらか
合うスープ 醤油・塩 味噌・辛味噌

お客さんに一言で伝えるなら——

「定番のモツ鍋っぽくしたいなら牛モツ、味噌系やしっかりした味がお好みなら豚モツもおいしいです」

スープ別に見る、合うモツの選び方

スープ 牛モツ 豚モツ
醤油 ◎ 定番
味噌
辛味噌・チゲ

醤油・塩は牛モツの甘みが生きやすく、味噌や辛味噌は豚モツの風味とも相性がいい——そう覚えておくと案内しやすいです。

「臭みが少なくて、脂が多すぎないもの」と言われたら?

今回みたいに、「臭みは少ない方がいい。でも脂は多すぎない方がいい」と言われると、正直かなり悩みます。あの日のボクは、ここで言葉に詰まってしまいました。

でも調べて、今ならこう答えられます。

今なら、まずこう伝えます

「定番は牛モツですが、牛小腸(マルチョウ)は脂が多めです。脂を少し控えたいなら、牛大腸(シマチョウ)や豚モツも選択肢になりますよ。」

そのうえで、臭み・脂っこさ・味噌か醤油か——を聞けば、お客さんに合った提案がしやすくなります。今回学んだのは、「牛か豚か」より、お客さんが何を求めているかを聞くことの大切さでした。

失敗した接客 → 調べた知識 → 今ならこう答えられる。この流れが、ボクの成長の形です。

そもそも「モツ」って何?

「モツ」は食用にする内臓の総称です。牛や豚を解体したとき、赤身以外の内臓部分をまとめて「モツ」と呼びます。

「モツ」と「ホルモン」の違い

項目 モツ ホルモン
意味 牛・豚などの食用内臓の総称 食用内臓の総称(焼肉でよく使う呼び方)
よく使われる場面 モツ鍋、モツ煮、モツ焼き 焼肉、ホルモン焼き
違い 一般的な呼び方 焼肉店で使われることが多い呼び方

白モツと赤モツ——モツ鍋との相性

種類 主な部位 モツ鍋との相性
白モツ 小腸・大腸・胃 ◎ 定番
赤モツ ハツ・レバー・マメなど △ あまり使わない

モツ鍋の主役になるのは基本的に白モツです。精肉店で「モツありますか?」と聞かれたら、どの動物の、どの部位かまで確認できると案内がスムーズになります。

そのまま使える「接客ひと言フレーズ」

モツ鍋のモツを聞かれたとき
「定番のモツ鍋なら牛モツが人気です。味噌系やしっかりした味なら豚モツもおいしいですよ」

臭み・脂を気にするお客さんには
「定番は牛モツですが、マルチョウは脂が多めです。脂を控えたいならシマチョウや豚モツもありますよ」

40代で「分からない」と感じている人へ

歴史の話ではありませんが、ボクはこの接客のあと、こう思いました。

分からないことがあるのは、悪いことじゃない。本当にダメなのは、分からなかったことをそのままにしてしまうことなんじゃないかって。

45歳で転職すると、若い頃みたいに勢いだけでは進めません。覚えるスピードも、正直速くはない。それでも、昨日より今日、今日より明日と、少しずつ前に進める——ボクは最近、それを現場で何度も感じています。

今日から、自分に言える3つのこと

① 分からないと正直に言える(それだけで十分)

② 帰ってから調べる、または誰かに聞く——その一歩が次の自分をつくる

③ 小さな成長を、ちゃんと自分で認める

モツ鍋のモツを案内できなかった日も、小さな出来事に見えます。でも、調べて、次につなげられた。それだけで、ボクにとっては大きな一歩でした。

おわりに——明日も、店頭で一歩ずつ

あの日は、お客さんに助けられた接客でした。でも次は、ボクがお客さんを助けられるように、もっと勉強したいです。

ボクには将来、キッチンカーで全国の競馬場を回るという夢があります。今日、モツ鍋の質問にうまく答えられなかった悔しさも、きっとその先の糧になると思っています。

もし40代で転職を迷っている人がいたら——ボクはまだ立派な先輩とは言えません。でも、未経験から始めて、毎日少しずつ前に進めているのは、本当のことです。

いつかどこかの競馬場で、ボクのキッチンカーを見かけたら、「ブログ読んでました」と声をかけてもらえたら、それだけでうれしい。精肉店3か月目、骨折明けの週も、今日はまた小さな一歩を踏み出せた——そう思って、明日も店頭に立ちます。

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