「食べ比べてみたい」——気づけば買い物カゴに入れていたボク。
でも家に帰って並べると、見た目の違いが、思ったほど分からない現実が待っていました。
精肉店の焼肉コーナーで働いていると、前よりも肉の並び方に目がいくようになりました。その日、いつもの牛カルビに加えて、カイノミとタテバラ。「バラ肉が3種類か……」——正直、心が動きました。
45歳で未経験から精肉店に飛び込んだ以上、毎日売っている肉のことを、自分の口でも分かるようになりたい。そう思って買ったのに、パックを並べてみると、カイノミだけ少し雰囲気が違う気はする。でも、カルビとタテバラは、知識がなければボクにはまだうまく説明できない。
働いているのに分からない。これ、なかなか悔しい。
だから今回は、食べる前にきちんと予習してから向き合うことにした。結論から言うと、分からないことがあるのは恥ずかしいことじゃない。立ち止まらず、調べて、確かめて、次につなげることのほうがずっと大事だと感じた。今日はそんな話です。
カルビ・カイノミ・タテバラは、同じようでちゃんと違う
まず押さえたのは、「カルビ」は部位名というより、広くバラ肉系の商品名として使われることが多い、ということ。牛のお腹まわりのバラ肉は、焼いたときのジューシーさや脂のうまさを楽しむ肉——それが大枠です。
| 部位 | ボクなりのイメージ |
|---|---|
| カルビ | バラ肉全体を指すことが多い、焼肉の王道 |
| カイノミ | 赤身と脂のバランスがよく、やわらかい希少部位 |
| タテバラ | 脂の甘みと層のうまさを楽しむ、濃厚タイプ |
カイノミはヒレに近い位置で、赤身のうまさがありながらやわらかい。タテバラは赤身と脂が何層にも重なっていて、加熱するとジュワッと肉汁が出る——「これぞ焼肉のカルビ感」が強い部位です。
言葉で読むと分かった気になる。でも売場で見て、手に取って、食べて、「ああ、こういうことか」とつかむには、やっぱり経験が必要なんだと思う。
「骨に近いほどうまいのか?」と考えたのも、転職したからだった
肉を見ながら、ボクはふと考えた。魚は骨のまわりの身がうまいと言うけれど、肉もそうなんだろうか。それとも、よく動かした筋肉のほうがうまいんだろうか。
こういう疑問って、前の仕事をしていたころはたぶん持たなかった。でも今は、毎日肉に触れているからこそ、「見えていない違い」を知りたくなる。
調べてみると、牛肉は単純に「骨に近いほどうまい」とは言い切れないらしい。筋肉の動き方、脂の入り方、繊維の細かさ——その部位の性質が味を決める。骨に近いタテバラがうまいのも本当なら、骨から遠めでもカイノミがうまいのも本当。どっちが上というより、うまさの理由が違うんだと思う。
この感覚、なんだか人の仕事にも似ている気がした。体力がある人、手先が器用な人、コツコツ積み上げるのが得意な人——活躍の形はひとつじゃない。ボクみたいに45歳で未経験転職した人間も、若い人と同じ勝負をするんじゃなくて、自分なりの強みの出し方を見つければいいのかもしれない。
仙台牛のカイノミとタテバラを前に、ちょっと身が引き締まった
今回のカイノミとタテバラは仙台牛でした(▶ 仙台牛のウチハラミを買って学んだ記事でも触れたブランド牛です)。厳しい基準を満たした牛肉だと思うと、それだけで少し背筋が伸びる。
ただ「高い肉だ、うまそうだ」で終わらせるんじゃなくて、「どう違うのかを自分の言葉で言えるようになりたい」——その気持ちのほうが強かった。精肉店で働いているからこそ、食べることも勉強のひとつになる。
本音を言えば半分は好奇心だし、半分は悔しさ。同じ売場に立っているのに、まだ違いをパッと語れない自分が悔しかった。でも、悔しいからこそ前に進める——これって転職したあとの毎日にも、すごく似ている。
食べる順番まで考えてしまう自分に、少しだけ成長を感じた
予習しながら、食べる順番まで考えていた。たぶん前のボクなら、目の前の肉を勢いで焼いて食べて終わりだった。でも今は、せっかくなら違いをちゃんと感じたい。
ボクが考えた食べる順番
① カイノミ — やわらかく、口の中を重くしすぎずにスタート
② タテバラ — 脂と赤身の層を感じながら、焼肉らしさが出てくる
③ カルビ — いちばん「焼肉食べたな」という満足感で締め
この順番が正解かどうかは、今夜食べてみないとまだ分からない。でも、分からないなりに考えて、自分なりの仮説を立てる——この時間そのものが、すでに大事な学びになっている。
40代の未経験転職も、最初は「違いが分からない」の連続
今回いちばん強く感じたのは、これは仕事にもそのまま重なるということだった。
40代で未経験の仕事に入ると、最初は本当に違いが分からない。何が大事で、何を見ればよくて、どこに気をつければいいのか——そのひとつひとつが見えない。「こんなことも分からないのか」と、自分で自分にがっかりする瞬間もある。ボクも何度もあった。
でも、そこで終わらなければいい。分からないなら、見る。聞く。調べる。やってみる。食べてみる。未経験転職で本当に大事なのは、最初からできることじゃなくて、分からないことを放置しない姿勢だとボクは思う。一気に全部できるようにならなくていい。昨日より少し分かることが増えたなら、それは立派な前進だ。
今日からできること——新しい環境で不安な人へ
もし今、未経験の仕事に飛び込んで、不安や戸惑いを感じている人がいたら——
今日から、自分に言える3つのこと
① 分からないことを「自分はダメだ」で終わらせない
② 本を読むだけじゃなく、小さな実践をひとつ入れる(ボクにとって今回は食べ比べ)
③ 比べる相手を他人ではなく、昨日の自分にする
周りには慣れている人も、覚えが早い人もいる。でも、その人たちと比べ続けると苦しくなる。昨日よりひとつ知れた。昨日よりひとつ慣れた。その積み重ねで十分です。
まとめ|違いが分からない悔しさは、前に進んでいる証拠
カルビ、カイノミ、タテバラ。見た目は似ていても、それぞれちゃんと個性がある。そして、その違いを知ろうとする時間の中で、ボクはあらためて思った。45歳からの挑戦は、分からないことだらけでも大丈夫だということ。むしろ、分からないからこそ面白いし、そこに学びがある。
今夜この3種のバラ肉を食べてみて、また新しく分かることがあるはずだ。そのひとつひとつは小さいけれど、45歳で始めたこの挑戦の確かな前進でもある。
ボクも明日また、売り場で肉を見ながら学びます。分からないことは、まだたくさんあります。でも、昨日より一つ分かることが増えれば、それだけで前に進めています。
もし今、不安を抱えながら挑戦している人がいたら、一緒に少しずつ進んでいきましょう。そしていつか、競馬場のキッチンカーでお会いできたら、「ブログ読んでました」と声をかけてもらえたら、本当にうれしいです。
とりあえず、予習はこのへんにして、今晩しっかり食べてきます。続きは、また次の記事で。


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