今回はいつもの上州牛ではなく仙台牛。8枚170g、社員割で1,500円。
入社3か月目のボクは、まだ「いいサシ」が分からないまま、肉を買い、学びました。
転職したあと、「自分は本当にやっていけるのかな」と不安になること、ありませんか。
ボクは45歳で未経験から精肉店に転職して、まだ3か月目。毎日が新しいことだらけで、覚えることも多いです。そんなある日、社長から「ウチハラミ入ったよ」と声をかけられました。
何を隠そう、ボクはウチハラミにハマっています。以前も記事にしたくらい好きです。正直、ほかの肉も食べたい。でも、あの食べ応えと脂のうまみを思い出すと、どうしても気持ちが持っていかれるんです。しかも今回は上州牛ではなく、仙台牛。
結論から言うと、この日の出来事で改めて思ったのは、「分からないことがあるからこそ、挑戦には意味がある」ということでした。知識が足りない。見た目の良し悪しもまだ自信がない。家計も厳しい。そんな中でも一歩踏み込んでみると、ちゃんと学びが残る。今日はそんな話です。
社長の「ウチハラミ入ったよ」で、理性より食欲が勝った
この日のウチハラミは、8枚で170g、1,700円。社員1割引きで1,500円でした。店のポイントもそのまま貯まって、貯まれば500円引き券になる。食べる楽しみがあって、働く楽しみもある——こういう職場って、やっぱりうれしいです。
でも、そのときのボクには迷いもありました。骨折して自宅安静が2週間。今月は手取り26万円のはずが、20万円まで減っていたからです(▶ 骨折3週間目・仕事復帰の記事)。
こんなときに、1,500円のウチハラミを買っていいのか。妻に怒られるんじゃないか。いや、たぶん怒られる。そう思いながらも、ボクは買ってしまいました。
家に帰って「ウチハラミ買ってきたー」と言ったら、案の定——
「どこにそんなお金があるの!? せめて週末にして!」
と、しっかり怒られました。でもそのときのボクは、心の中でこう思っていました。
「いや、週末なら良かったのか!?」
自分でもあきれるくらい、食欲が勝っていました。
しかも社長が「これ、今日までしか店に置かないかもしれない」と言う。嘘か本当かは分かりません。でも、そんな一言も背中を押します。
ボクの中では、“食べたい”と“せっかくなら今しかない”が合体すると、人はけっこう簡単に理性を失う——その日、よく分かりました。
仙台牛のウチハラミは何がすごいのか
今回買ったのは、A5ランクだからこそ名乗れる仙台牛のウチハラミでした。仙台牛は、宮城県の黒毛和牛のうち、A5・B5と格付けされたものだけが名乗れるブランド——「宮城県産の中の最高ランク帯」というイメージです。きめ細かい霜降りと、赤身とのバランスがいい。それくらい押さえておけば、お客さんへの一言にはなります。
で、A5とB5。よく「A5のほうがおいしいの?」と聞かれますが、肉質の「5」はどちらも最高評価。違うのは歩留等級で、おいしさより“商品になる肉がどれだけ取れるか”に近い話です。
| 等級 | 意味 |
|---|---|
| A5 / B5 | 肉質等級「5」=どちらも最高ランク |
| A | 商品として取れる肉の割合が良い |
| B | 標準的な歩留まり |
お肉検定2級の勉強でも触れた内容ですが、現場で自分の言葉にできたとき、初めて“知識”になった気がしました。
入社3か月目のボクは、まだ「いいサシ」がよく分からない
社長は肉を見て「今日はサシがいいな」と言います。ボクも同じ肉を見ます。でも正直、どこを見れば「いいサシ」なのか、まだ自信を持って説明できません。白く入っているのは分かる。でも、その違いを言葉にできないんです。
何となく「きれいだな」は分かる。でも、その“何となく”を言葉にできない——そこに、今の自分の未熟さがあります。
しかも、肉の評価ってサシの量だけではありません。
- 脂肪交雑(サシ)
- 肉の色沢
- 肉の締まり・きめ
- 脂肪の色沢・質
こうして見ると、白く入っていればいい、という単純な話じゃないんですよね。ボクは以前、「サシが多い=良い肉」と、かなりざっくり考えていました。でも現場に入ると、それだけでは足りないと分かります。“分かったつもり”でいるほうが、実は恥ずかしい。
だから最近は、「なぜこれは良く見えるのか」「どこがきれいなのか」を自分なりに言葉にするようにしています。赤身とのバランスはどうか。脂の入り方は細かいか。表面のツヤはどうか。肉の締まりはどう見えるか。
ボクが学んだこと
まだまだ勉強中です。でも、前よりは見ようとする視点が増えました。できないことがあるのはダメなことじゃない。伸びしろが見えてきたということ——45歳を過ぎてから、ボクはそれを少しずつ実感しています。
転職して分かったのは、「不安がある状態」で進むしかない
40代、50代で未経験の仕事に飛び込むと、できないことの多さに驚きます。若いころみたいに勢いだけではいけないし、プライドもある。お金の心配だってある。家族の目もある。だから一歩が重いんですよね。
ボクもそうです。今回のウチハラミひとつ買うだけでも、給料が減っている現実が頭をよぎりました。妻に怒られる未来も見えていました。それでも買ったのは、単なる食欲だけじゃなくて、今の仕事をもっと知りたい、もっと味わいたい、もっと自分の血肉にしたいという気持ちがあったからだと思います。
もちろん、家計を考えれば反省点はあります。何でも勢いで買えばいいわけじゃない。そこはちゃんと学ばないといけません。
でも今回のことで、ボクはまたひとつ覚えました。
人は、完璧になってから挑戦するんじゃない。不安を抱えたまま、一歩ずつ慣れていくものなんだと。転職も同じ——自信がついてから動くんじゃなくて、動いたあとに少しずつ自信が育っていく。ボクは今、その途中にいます。
今日からできること——「分からない」をそのままにしない
もし今、転職後の不安や、自分の未熟さに落ち込んでいるなら、今日からできることは大きなことじゃなくて大丈夫です。
今日から、自分に言える3つのこと
① 気になったことを、ひとつだけ調べる
② 分からなかったことを、ひとつだけメモする
③ うまくできなかった理由を、ひとつだけ言葉にする
それだけでも、昨日の自分より前に進めます。ボクも今は、「いいサシって何だろう」を、何となくで終わらせないようにしています。まだ答えは途中です。でも、途中だからこそ面白い。
学び続ける人は、年齢に関係なく伸びていける——ボクはそう信じています。
まとめ|ウチハラミひとつにも、挑戦のヒントがある
仙台牛のウチハラミを買ったこの日は、ただ「おいしい肉を買った日」では終わりませんでした。仙台牛とは何か。A5とB5は何が違うのか。いい肉の見た目とは何か。まだ分からない自分と、どう向き合うか——ひとつの買い物から、いろんな学びがありました。
そして何より、45歳で未経験転職したボクでも、ちゃんと前に進めていると感じられたのが大きかったです。今日は完璧じゃなくても、小さな一歩が踏み出せたなら、それは十分に前進です。
ボクも明日また、売り場で肉を見ながら学びます。分からないことは、まだたくさんあります。でも、昨日より一つ分かることが増えれば、それだけで前に進めています。
もし今、不安を抱えながら挑戦している人がいたら、一緒に少しずつ進んでいきましょう。そしていつか、競馬場のキッチンカーでお会いできたら、「ブログ読んでました」と声をかけてもらえたら、本当にうれしいです。


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