やってしまった——その瞬間、頭に浮かんだこと
配達が終わって施設を出ようとした時、後方の切り返しでオーバーハングをすっかり忘れ、スロープ脇の石垣にガリっとやってしまいました。


「あ、やっちゃった」
その瞬間、頭に浮かんだのは傷の深さじゃなかった。
報告書。査定。場合によっては減給。上司への説明。
相手がいる事故でも、人身事故でもないのに、体がもう「防御モード」に入っていたんです。
前職(トラックドライバー)時代の反射が、転職から半年経った今も抜けていなかった。
1日だけ、隠そうとした
少し恥ずかしい話ですが、その日はすぐに報告しませんでした。
「もともとあった傷に見えないかな」とか、「気づかれないかも」とか、そんなことまで考えました。
あのときのボクは、傷をつけた事実よりも、そのあとに何が待っているかが怖かった。
前職では、ミスのあとに来るものがとにかく重かった。報告書、減給、査定への反映……ミスをするたびに心まで削られていく感覚がどうしても拭えなかった。
翌日、思い切って報告してみた
1日悩んで、やっぱり正直に言おうと決めました。同じ時間帯の配達から戻ったタイミングで伝えました。
新車に傷つけてしまいました
どこに?
スロープの石垣です
あー、あそこ危ないよね
すみませんでした
人とか物を壊したわけじゃないし、別にいいよ。気にしないで
さらに納品先の確認が終わると、社長からこう返ってきました。
そして何より先に聞かれたのは、「ケガはなかった?」というボクへの心配でした。
マジか、と思いました。新車なのに。責める言葉じゃなく、報告した行動を認める言葉が返ってきた。
前職と今——ミスへの向き合い方の違い
| 項目 | 前職:トラックドライバー | 今:精肉屋 |
|---|---|---|
| ミスした瞬間 | 「終わった」が先に来る | 反省はするが追い込まなくて済む |
| 報告時の心理 | 不利益を先に考える | 言いづらくても話せる |
| 報告後の反応 | 処分・査定が重い | 「ケガなくて良かった」と心配してくれる |
| ミスとの向き合い方 | 責任追及が長く残る | 必要以上に引きずらない |
| 職場の空気 | 常に緊張感がある | 息がしやすい |
| メンタル | 常に身構えている | 戻ってこられる安心感がある |
居心地の良さって「怒られないこと」じゃない
誤解してほしくないんですが、今の精肉屋が居心地いいのは「何でも許されるから」じゃないです。ちゃんと報告する、危険は共有する——それは当然のこととして求められています。
でもそのうえで、必要以上に人を追い詰めない。
それが、ボクにとっての働きやすさだと思っています。
転職活動で「ミスのあとの空気」を見抜くヒント
転職活動をしているとき、給料や仕事内容はしっかり調べました。でも、ミスをしたあとの職場の空気まで事前に知ることは難しい。
「ミスが起きたとき、どんな対応をされていますか?」
本音まではわからない。でも、どんな言葉で答えるかには、その会社の考え方が少し表れる気がします。
転職して変わったのは、仕事内容だけじゃなかった
新車を擦ったこと自体は反省しています。1日隠そうとしたのも、正直よくなかった。
でも今回、ひとつはっきりわかったことがあります。
転職して変わったのは、仕事の内容だけじゃなかった。
- ミスをしたときにどれだけ身構えるか
- 報告するときにどれだけ怖いか
- そのあとも働き続けられる安心感があるか
そういうことまで含めて、今の職場は前職とは大きく違う。そしてその違いが、ボクのメンタルをだいぶ軽くしてくれています。
もし今、ミスを恐れながら働いている人がいるなら、”仕事内容”だけじゃなく、”ミスした後の空気”も転職先を見る基準にしていいのかもしれません。
このブログは、トラックドライバーから精肉屋に転職した45歳のボクの日々を、失敗も含めてそのまま残しています。転職を考えている方、今の職場に息苦しさを感じている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
今回の「車を擦った話」の背景には、
トラックドライバー時代の人身事故と転職があります。
▶ 人身事故をきっかけに退職を決意した話
▶ なぜ45歳で精肉屋への転職を選んだのか


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