カルビとタテバラの違いは分かる?分からなかった晩ご飯

カルビ・カイノミ・タテバラを実際に焼いて食べ比べた様子。違いを45歳の精肉店スタッフが検証した記事のアイキャッチ画像。 お肉食べた
カルビ・カイノミ・タテバラを自宅で焼いて食べ比べ。
前回の予習記事の続きです。
知識だけでは分からない。実際に食べて、初めて学べることがある——今回の記事は、そんな話です。
「食べればすぐ違いが分かるはず」——その考えは、甘かったと分かりました。

精肉店に転職して3か月。「カルビとカイノミって何が違うの?」——お客さんに聞かれるたび、頭の中では答えが浮かぶのに、自分の言葉では説明できませんでした。

「タテバラってどんな味?」にも同じことが起きる。
だからボクは、自分の口で確かめるために、自宅で3種類のバラ肉を焼いて食べ比べてみることにしました。

結論から言うと

今回の食べ比べでは、タテバラとカルビの違いはほとんど分かりませんでした。

カイノミだけは、歯切れの良さや脂ののりで他との違いがつかめました。

詳しい経緯は、このあと書いていきます。

焼いて並べたあと、「今食べたの何?」と聞かれた夜

食べる前は、脂の少ない順番から食べようと思っていました。

食べ比べに使ったカイノミ
①カイノミ
食べ比べに使ったタテバラ
②タテバラ
食べ比べに使ったカルビ
③カルビ

けど、①カイノミを真ん中で食すことで、より違いがわかると思いました。
そこでまず②のタテバラから、続けて①のカイノミの順で先に食べることにしました。③のカルビはそのあとです。

食べ方は塩コショウのみ。フライパンで焼きました。

塩コショウのみでフライパン焼いた3種
塩コショウのみでフライパン焼き

焼いた3種を順番に食べていく。まず②のタテバラ、続けて①のカイノミ——。

実際に食べてみると、①のカイノミは②のタテバラと③のカルビと比べ、歯切れの良さ、脂ののり、カルビより感じる赤味感がありました。そういうところで他との違いがわかった気がします。

②のタテバラと③のカルビの違いは全く分かりませんでした。「こっちのほうが少し脂の甘みが濃いかな?」くらいは感じても、ブラインドで出されたら当てられる自信はありません。

そのとき妻に「今食べたの何?」と聞かれました。「……えっと」——答えられなかった。恥ずかしさと、ちょっとした笑いが同時に出ました。

精肉店で働いているのに、家でも説明できなかった。

ここ、ちょっと悔しかった。参考書を読んで覚えたつもりでも、実際に食べてみると分からないことばかりでした。
毎日売り場に立っているのに、まだこの程度か……と。

カルビとタテバラの違い——押さえておきたい基礎

結局、タテバラとカルビの違いは?

タテバラは部位名(バラ肉の中の特定部位)

カルビは商品名として使われることが多い

・どちらもバラ系なので、味だけでは似て感じやすい

食べ比べのあと、改めて整理してみました。

どちらも牛のバラ肉の仲間です。タテバラは赤身と脂が層になっているのが特徴。
だから味だけで言い分けると今回のように難しく、部位の違いから理解したほうが話しやすいんです。

カイノミはヒレに近い位置にあります。脂はあるけれど重すぎず、赤身のうまさとやわらかさのバランスがいい部位——
前編の記事でも触れた通り、3つは同じバラ系でも楽しみ方が違います。

食べ比べの結果をまとめると

部位 一言 肉感 おすすめ
①カイノミ 赤身感がいちばん分かった ★★★★☆ ★★★★★ 40代向き
歯切れと食べ応えで違いが出やすい
②タテバラ 脂の層が魅力 ★★★★★ ★★★☆☆ 脂好き向き
層のうまさを楽しみたい人に
③カルビ 焼肉らしい王道 ★★★★★ ★★★★☆ 焼肉らしい満足感

ただし、味だけでタテバラとカルビをきれいに言い分けるのは、今のボクにはまだ難しかったです。

社長との会話で、少し肩の力が抜けた

そこで後日、社長に聞いてみました。

「社長、正直タテバラとカルビの違いが分かりませんでした」

「オレも分からないよ(笑)」

「社長でも分からないんですか?」

「だって同じ牛だもん(笑)」

「脂の濃さの違いくらいだよね」

このやりとりで、ボクは少し救われました。もちろん、「じゃあ覚えなくていいや」という話ではありません。
だけど、現場の人でもそう感じることがあると知って、分からない自分だけが遅れているわけじゃないと少し思えたんです。

他のスタッフにも聞いてみると、みんな口をそろえてこう言いました。

現場の声

「違いを無理に味だけで説明するより、どこの部位なのかをちゃんと理解したほうがいいよね」

「カルビもタテバラも同じバラ系だから、似て感じるのは自然だと思う」

胃袋が教えてくれた、もうひとつの現実

それともうひとつ、すごくリアルだったことがあります。バラ肉3連発は、40代の胃袋にはなかなか重いということです。

43歳の妻も、「おいしいけど、ちょっと気持ち悪くなりそう……」という感じでした。若い頃なら「全部うまい!」で終わったかもしれません。
でも今は、おいしさと食卓のバランスは別問題なんですよね。

脂の甘みはたしかに魅力です。だけど、そればかり続くと、せっかくのうまい肉も後半でつらくなる。
もしここに、モモのような肉肉しい赤身が1皿入っていたら、カルビやタテバラの良さはもっと際立ったはずです。

ボクがいちばん印象に残ったこと

「おいしい部位」と「満足できる食卓」は、必ずしも同じではない。

売り場に立つたび、少しずつ積み重ねている

お客さんに聞かれて詰まったらどうしよう。上から目線で試すように聞かれたらどうしよう——
そんなことを考えて、勝手に身構えてしまうことがあります。ボクもまさにそうです。

でも今回、自腹で買って食べる。分からなければ社長に聞く。スタッフにも聞く——地味ですが、たぶんこういう積み重ねしかない。
知らないことがあるのは悪いことじゃない。悪いのは、知らないまま止まってしまうことだと、またひとつ思えました。

今日も売り場に立てば、お客さんからまた聞かれるかもしれません。その時は、今日より少しだけ自信を持って答えられる気がしています。

まとめ|違いが分からなくて悔しかった日も、前に進んでいる

今回の食べ比べで、ボクはタテバラとカルビの違いを完璧には説明できませんでした。まだまだ勉強不足だな、と正直ちょっと悔しかったです。

でも、自分で食べて、自分で迷って、自分で聞いて、次の学びにつなげられたのは大きかった。
失敗や曖昧さがあっても、そこから学べば、それはもう前進です。

そして、記事を書きながら気づいたんですが——
実は今回いちばん学んだのは、カルビとタテバラの違いそのものじゃなかった。
分からないことを、自分の体で確かめて、次に何を学べばいいかが見えたこと。それが、今のボクにとってはいちばんの収穫でした。

もし今、不安を抱えながら挑戦している人がいたら、一緒に少しずつ進んでいきましょう。
ボクは明日も、売り場で肉を見ながら、またひとつだけ覚えていきます。

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