- カイノミは、トモバラの小割部位
- A5=歩留「A」+肉質「5」。B5も、5は同じ
- 違うのはAとB。味のランクではない
今日、店頭で2つ引っかかった
今日、ショーケースを見ていて、2つ引っかかった。
「カイノミって、どこの肉?」
そして、「A5・B5のAとBって、何が違うんだ?」
45歳、精肉修行中。分からないまま売るのも嫌なので、テキストを開いた。誰かに教えるためじゃない。ボク自身の学習ノートだ。
先に、調べて分かったことだけ書く。
カイノミは、トモバラの小割部位だった。
A5・B5のアルファベットは、味のランクではなかった。歩留等級だ。数字の5が肉質。Aのほうが美味い、ではなかった。
ショーケースに並んでいたもの
いつもの「うまそうだな」で通り過ぎなかったのは、お肉博士検定の勉強中だからだ。名前と値札を、テキストと照合したくなった。

目に入ったのは、宮崎牛のカイノミ。
そして、その値札に書かれた「A」と「B」だった。
カイノミは、名前は知っている。以前、カルビ・カイノミ・タテバラを食べ比べたこともある。でも「正確に、牛のどこか」と聞かれたら、まだパッと出てこない。
なんとなく「Aのほうが良い肉」だと思っていた。A5は高級、B5は一段落ちる——その雑な理解を、テキストで潰したかった。
カイノミはどこの部位?
テキストの『牛部分肉・小割部分肉』の図(P.40)を開いた。

カイノミは、大分類(部分肉名):トモバラ / 小分類(小割部分肉名):カイノミ。
ヒレに近い位置にある、と読んだ。バラのコクがありつつ、柔らかい——そういう特徴の部位なんだな、と自分の言葉に落とした。
※お肉検定テキスト・改訂新版『牛枝肉・部分肉の分割と商品化』を参考にしたメモです。
バラ肉、と一口に言っても中身は一つじゃない。カルビという商品名の下に、トモバラもカタバラも入ってくる。食べ比べた夜は、カイノミだけ歯切れの違いが分かった。あのとき感じた「他と違う」は、ヒレに近い位置、という説明とつながる気がした。
まだ、地図は雑だ。でも「カイノミ=なんか柔らかい希少部位」から、「トモバラの小割」まで降りられた。検定の問題で部位名を聞かれたら、とりあえずトモバラと書ける。
部位は、一応つながった。残っているのは、値札のほうだ。カイノミがどこか分かっても、A5・B5のAとBが分からないと、店頭の肉はまだ半分しか読めていない。
A5・B5の「AとB」は歩留等級だった
テキストの牛枝肉格付のページを開く。アルファベットは、歩留(ぶどまり)等級だと書いてあった。
一頭の牛から、商品になる肉(部分肉)がどれくらい取れるか。その割合の話だ。美味しさの点数ではない。A5の「A」が、高級のAだと思っていたボクの勘違いだった。

A = 歩留等級
5 = 肉質等級
B = 歩留等級
5 = 肉質等級
「5」は同じ。違うのはAとB。
| 歩留等級 | 歩留基準値 | テキストの言い方 |
|---|---|---|
| A | 72以上 | 標準より良い |
| B | 69以上72未満 | 標準 |
| C | 69未満 | 標準より劣る |
一般的に、和牛は「A」、和牛以外の肥育牛は「B」になりやすい、とも書いてあった。ボクが店頭で見ていた「A」「B」は、たぶんこの話だ。
仙台牛のウチハラミを買ったときも、A5とB5の話は一度触れている。あのときは「5は肉質、AとBは取れ高」くらいで止まっていた。今回、72と69という数字までテキストで確かめた。
B5だからといって、A5より味が劣るわけじゃない。
歩留まりが標準のBで、肉質が最高ランクの5——そういう意味だ。単に「Aだから美味い」ではない。40代にして、やっとそこを正しく置けた。
肉質等級は一番低い評価に合わせる
アルファベットの横に付く数字は、肉質等級(1〜5)。脂肪交雑(サシ)だけで決まらない。
正直、サシが入っていれば、それだけで「いい肉」だと思っていた。でも、どうやら肉の世界は、そんなに単純じゃないらしい。40代の頭には、なかなか手強い。
さっきのページの左上に、青い手袋で B.M.S. No.8 のカードを枝肉に当てている写真があった。サシの量を、目で当てる。あの写真を見て、等級5が「なんとなく霜降り」じゃないことが分かった。
肉質等級は、次の4項目で見る。
- 脂肪交雑(B.M.S.)
- 肉の色沢
- 肉の締まり・きめ
- 脂肪の色沢と質
最終の肉質等級は、4項目のうち一番低い評価に合わせる。
サシが良くても、ほかが低ければそこまで下がる。検定で引っかかりそうなところだと思った。
脂肪交雑の等級5は、B.M.S. No.8以上。A5もB5も、この「5」は同じ肉質の最高評価だ。
※お肉検定テキストの牛枝肉格付・B.M.S.のページを参考にしたメモです。
現場では「今日はサシがいいな」と先輩が言う。ボクはまだ、その「いい」を4項目に分解できない。数字を覚えただけだ。それでも、値札のAを見て「高級だ」と雑に言わなくなったのは、前進だと思う。
自分用の確認テスト
暗記したつもりで終わらせたくないので、検定を想定した問題を自分に出した。5問中4問正解。ちゃんと1問落とした。勉強した気になっていると、こういうところでバレる。
答えは、開いて確認する。
Q1. カイノミの大分類(部分肉名)として正しいのは?
A:カタバラ
B:トモバラ
C:ランプ
D:ヒレ
正解 B:トモバラ
P.40の図では、カイノミはトモバラの小割。肩バラ(ブリスケット)はカタバラ(ブリスケ)。バラの前後を取り違えると、ここで落とす。
Q2. 歩留等級「A」の歩留基準値は?
A:69以上
B:70以上
C:72以上
D:75以上
正解 C:72以上
Aは72以上、Bは69以上72未満、Cは69未満。69と72の境界が、そのまま問題になる。
Q3. 値札の「A」「B」が主に表しているものは?
A:肉の美味しさのランク
B:和牛か、和牛以外か
C:枝肉から部分肉がどれくらい取れるかの歩留等級
D:サシの量
正解 C:歩留等級
味やサシは肉質等級(1〜5)の話。和牛がAになりやすい、とは書いてあっても、「A=和牛」という定義ではない。ボクが最初に持っていた「Aのほうが美味い」が、いちばん危ない。
Q4. 肉質等級5の脂肪交雑(B.M.S.)の基準は?
A:No.5以上
B:No.7以上
C:No.8以上
D:No.12のみ
正解 C:No.8以上
等級5はB.M.S. No.8(2+)以上。No.5は等級4のライン。数字が近いので、暗記カード向きだと思った。
Q5. 肉質の4項目で評価が分かれたとき、最終の肉質等級はどう決まる?
A:4項目の平均
B:脂肪交雑の評価だけを採用する
C:一番高い評価に合わせる
D:一番低い評価に合わせる
正解 D:一番低い評価に合わせる
検定で引っかかりやすいルール。サシが良くても、色沢や締まりが低ければ、そこまで下がる。平均でも、最高点でもない。
5問中4問。数字の境界と、一番低い評価に合わせるルール。ここを何度も往復する。
今日の45歳の収穫
今日、店頭で引っかかったのは二つだった。カイノミはどこか。A5・B5のAとBは何か。
カイノミは、トモバラの小割部位。
A5・B5のA・Bは、味ではなく歩留等級。
肉質等級は1〜5で、4項目のうち一番低い評価に合わせる。等級5のサシはB.M.S. No.8以上。A5もB5も、肉質の「5」は同じ最高評価。違うのは取れ高のほうだ。
サシが入っていればいい肉、Aなら高級——昨日までのボクは、それくらい雑だった。今日は、そこを一枚剥がせた。
大人の学び直しは、テキストだけ閉じても残らない。ショーケースの実物と、ページの図を行き来したほうが、ボクの頭には残る。次も、店頭で「ん?」となったところからノートにする。合格はまだ先でも、今日の収穫はこれでいい。
お肉博士検定の勉強を、店頭の実物とテキストで行き来しながらノートに残しています。
※本記事は個人の学習メモ・体験をもとにした記録です。精肉・格付の知識は修行中のため、専門的な情報は日本食肉格付協会など信頼できる情報源もあわせてご確認ください。


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